four seasons〜僕らの日々〜

蓮は顔を赤くして、黙って美桜を見つめている。しばらくしてから、ゆっくりと口を開けた。

「僕も、美桜ちゃんと出会えてよかった。美桜ちゃんと出会えたことも、今まで一緒に過ごせたことも全部、大きな奇跡だと思う」

蓮が優しく美桜の涙をぬぐった。蓮の指はとても優しくて、まるで宝物に触れるようだった。美桜の胸が高鳴る。

そんな二人の近くで休んでいる女子二人が、朝の電車の中のような話を始めた。

「ねえ、あの二人ってカップルかな？」

「男の子、すごくかっこいいよね！……女の子は普通だけど」

「だよね！うちらの方が絶対かわいいよね」

「やっぱりカップルじゃないんじゃない？」

こんなに好きなのに、周りからはそんな風には見てもらえない……。美桜の胸が痛む。

すると、蓮がくるりと女子二人の方を向いた。

「失礼なことを言わないでください！彼女は、誰よりもかわいいです」

そう言い、蓮は美桜の手を取り、歩き始めた。美桜は一瞬何が起きたのかわからなかった。しかし、蓮の言葉が頭の中で再生され、美桜の鼓動が早くなっていく。

「蓮くん！お世辞は別にいいよ！？」

「お世辞なんかじゃないよ！」