four seasons〜僕らの日々〜
「蓮くん、どうかした?」

じっと見つめていると、美桜が不思議そうに首を傾げる。蓮は我に返り慌てて首を横に振った。

「何でもないよ!」

しかし、美桜はずっと蓮を見つめている。蓮は慌てて口を開けた。

「ねえ!美桜ちゃんは何が好きなの?」

「えっ?」

「ほら、遊園地で好きなもの」

「ああ…。えっと……」

美桜はうつむき考え始めた。とりあえず美桜が考えてくれることに、蓮はほっとする。じっと見ていたとバレたら嫌われるかもしれないと思ったからだ。

「私、パレードが好きだな。華やかで別世界に迷い込んだみたいで見ていて楽しいんだ」

美桜が目を輝かせながら言う。蓮は腕時計を見た。たしかパレードは一時半だったはずだ。

「一時半からパレードがあるし、見に行こうよ!」

そう言うと、美桜は嬉しそうに「本当!?」と言った。

「うん、きっときれいだよ」

美桜の嬉しそうな顔を見て、蓮は一気に幸せになる。

きっと、パレードが始まったらもっとすてきな笑顔を見せてくれるんだろうな……。

蓮はそう思いながら、美桜を見つめた。
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