four seasons〜僕らの日々〜
美桜が窓の外を見ると、ゴンドラの外には、遊園地だけでなく街や大きな夕焼けが見えていた。高いところに登ってきたらしい。

頂上にもうすぐ着く。美桜は何度も深呼吸をし、口を開いた。

「蓮くん、私……蓮くんに言いたいことがあるの」

美桜のその言葉に、蓮の心臓は大きく跳ね上がった。慌てて美桜を見つめる。赤い顔をした好きな人がいた。

「僕も、言いたいことがあるよ」

蓮もそう言うと、美桜の顔がさらに赤くなる。それを見ていた蓮の体は熱くなった。

ここは二人きりの世界。誰にも邪魔されない恥ずかしくて、幸せな空間。

しばらく二人は黙っていた。それは長いようで短い静寂だった。その静寂を息を吸い、破ったのは蓮だった。

「……今から、言ってもいいですか?」

美桜の胸が高鳴る。

「……はい」

蓮は息を吸う。この日のために作った歌。好きな人のためだけに作った、特別な歌。ゴンドラに蓮の歌声が響く。
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