four seasons〜僕らの日々〜
揺れる体育祭〜王子の選択〜
「今日は体育祭について話すぞ〜」

五月に入ったある日、林先生がそう言うとクラスが騒がしくなった。

「楽しみだね!」

美桜の隣で蓮が笑う。

「うん」

美桜は頷いた。

一週間ほど前に席がえがあり、美桜の隣に蓮が座ることになった。

それは美桜にとって嬉しいことだが、同時に苦しくもなる。

蓮を好きだと自覚してから、前よりも苦しくなったりドキドキしたり感情が激しくなっている。

手話を最近まで捨てていたように、この想いも捨てられたらいいのにと美桜は心の中でため息をついた。

そんな美桜の横で蓮は笑顔を見せた。
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