four seasons〜僕らの日々〜
「美桜ちゃん、時々悲しそうになって苦しくなるんだ。どうしたらいつも笑ってくれるんだろう?」

椿ちゃんに男の子は言った。

「……それ……は……」

「どうしたの?」

椿ちゃんも、悲しげな目で男の子を見つめていた。しかし、すぐにいつものような明るい表情になり言った。

「歌ってあげればいいんじゃない?音楽は、人の心を動かす力があるんだし!」

「そうだね」

男の子は笑う。

椿ちゃんといると、罪悪感でいっぱいになって苦しくなってしまう。女の子と一緒にいる時のように心が動かない。大切な人に変わりはないのに、美桜を想う気持ちとはやっぱり違う。
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