four seasons〜僕らの日々〜
放課後の図書室には、蓮と椿しかいない。

美桜は用事で帰ってしまった。

「ここの問題はわかる?」

「……あんまり」

丁寧に教えてくれる椿を見て、蓮は罪悪感を感じていた。

白い棺が頭の中に浮かぶ。泣きじゃくっていた椿が蓮の腕を掴んだ。

「私、ずっと蓮のことが好きだった!お願い付き合って!」

椿が告白してくれた日のことが、なぜか頭に浮かんで離れない。それはきっと罪悪感からだろう。

椿と付き合っているが、ただの友達の時と変わっていない。世の中のカップルのようにデートをしたことも、ハグやキスもしたことがない。
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