four seasons〜僕らの日々〜
「失礼します!」

そう言って出て行こうとする蓮の腕を翔が掴んで、蓮を壁に押し付けた。

「えっ?何?」

蓮を睨みつけながら、翔が冷たい口調で言った。

「お前は最低だな。アイツは俺が攫ってく」

ドクン、ドクンと心臓が嫌な音を立てる。恐怖でうまく言葉が出てこない。

「……アイツって?……一体、何のこと?」

「さあ?」

翔は蓮を部屋から追い出し、扉をゆっくり閉めた。蓮は呆然と扉を見つめる。

頭の中に、美桜の顔が浮かんだ。
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