マスカレード ~素顔の仮面~
私が思ったとおり、3人で話しているうちの1人が、及川博人、その人だった。

「・・・でさ・・」
「すいません!“スクープ!”の者です。及川さんにお話を伺いたいのですが」

私が近づいても、存在を無視するかのように談笑していた彼らは、私が割り込むように言った途端、ピタッと話すのを止めた。

一瞬、私は怯んだ。
特に、真ん中――私の真正面――にいる及川博人の視線を感じたときには。
サングラスをかけているから(今日みたいな強い日差には賢明な対策だ)彼の目は見えないけれど、なんというか・・・射抜くように私を見ているのを、強く感じる。

なんて力強い・・圧倒的な存在感を放ってるんだろう、この人は。

< 23 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop