約束の日 ~龍神の守護する国~
先を見通す力を持つと言われている彼の瞳には、

どんな未来が見えているのだろうか。

『君と同じ…護りたい未来がある』

紡がれる言葉は誠実で心に深く響いた。

彼の望みのため、犠牲になれと言われているのに、

不思議と心が静まった。


自分と同じ青い瞳を見ていると、

まるで鏡に向かい合ってるような気持ちにさえなる。

思い返してみると、いつも側に彼を感じ

言葉を交わしてきた生活の中で、

正面切って相対したことは数えるほどしかない。


でも、王族の一員として生を受け、

龍神の眼と呼ばれる特殊な瞳と能力を持った自分を、

一番理解して見守り続けてきてくれたのは、

目前に佇む龍神なのだ。
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