約束の日 ~龍神の守護する国~
その彼が譲れないという未来。

「私が犠牲になることで、私が護りたいと思うものを護れるのなら」

『約束しよう』

言葉と共にみせた表情は、初めて見る龍神の微笑。


カタンッ

広間の外で人の気配がした。

『客人ですね。最後の夜です、ゆっくり休みなさい』

言い残して姿を消した龍神と入れ違いに、

扉を開けて現れたのは一人の若い娘。

「巫女姫?」

「…竜己様、犠牲とは何ですか…先程の龍貴様との話は?」

どうやら会話を聞かれていたらしい。
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