死神少女マリン
私が教室に入ると、クラスメイトたちの視線が私に突き刺さった。
「真凛、来たんだ…!」
「おひさ〜!」
「どしたの? なんかあったの?」
親友の理沙と花音、百合が優しく私を出迎えてくれた。
「お久しぶり! 実は、親戚のおじさんが亡くなって…大変だったの!」
母には、父が亡くなったことは絶対に他言しないように言われているため、適当にごまかしておいた。
「そっかー、大変だね! あとで、真凛が休んでた分のノート、ラインで送るね」
みんな、優しく私をフォローしてくれる。
「そうそう…そういえばなんだけどさ、真凛」
百合が、ちょっぴり深刻そうな顔で言った。
「あの…入澤が、真凛が休んでたのは、ズル休みだって言ってたの……! 最低よね」
––入澤南、だ。
私がクラスで、最も苦手としているやつ。……というか、みんな苦手だろう。
百合が入澤の話をした瞬間、みんな私たちの話を盗み聞いていたのだろう、次々と私達の周りにみんなが集まり、
「そうそう、入澤がさ」
「最低よね、根拠もなしに」
「真凛ちゃんかわいそう!」
みんながムッと、顔を真っ赤にしそう言った。
––こればかりは、私も。
入澤を許さない。
私はお父さんをなくして辛いのに、悲しいのに。
人の気持ちを考えずにそんなデマを流すなんて……どういうこと?