カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「しばらく休むって、担当してるクライアントは大丈夫なの?」

「手分けしてフォロー、かな。私も一社手伝うことになってて」
美弥子の言葉で、午後からそこへ挨拶予定だってことを思い出した私は、カルボナーラに再挑戦することにした。

クライアントの前でぶっ倒れたり、おなか鳴ったりしたら最悪だもんね。
スピードをあげて、パスタをくるくるしていると——

「わかった!」

パチンって、いきなり美弥子が手を叩いた。


「何よ、突然?」

「年だけバラすのはどう?」

「……は? トシ?」
話の脈絡がまったく見えなくて、ぽかんと聞き返す。

「そ。相手は飛鳥のこと27だと思ってるんでしょ? それが実は5つもサバ読んでたって知ったら、ちょっと引くでしょ」

「引く、かなぁ?」

「なんだかんだいって、男ってやっぱり若い子好きって多いと思うのよね。きっと彼ののぼせた頭も、クールダウンするんじゃない?」

若い子、かぁ……嫌な響きだけど、一理あるかも。
合コンでは絶対年齢聞かれたしな。

——君、いくつ? え、俺より年上なんデスカ?

いきなり敬語になっちゃって……透明な壁を感じるという。
あれ結構、キツいんだけどなぁ。
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