カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「飛鳥さんが仲を取り持ったカップルは、高確率でゴールインするんですよ。まるで魔法みたいに! 今回の受付の南さんなんか、紹介からプロポーズまで、最短記録更新なんですからっ」
「え、そうだっけ?」
「2か月と12日です! 前回は5か月と1週間でしたから、大幅に記録更新じゃないですか!!」
そんな詳細記録調べてどうすんの……
「短ければいいってもんじゃないでしょ。私は単に相手を紹介しただけだし」
最初がいつだったのか、もう思い出せないけど。
営業っていう職種上、いろんな会社とつながりはあるし、接待の席につくことも多くて。必然、独身男子の情報も耳に入ってくるわけで。
趣味とか性格が似てそうだなぁって思ったうちの会社の子、紹介したのよね。
そしたら立て続けに何組か、たまたまうまくまとまっちゃって。
いつのまにか、社内の独身女子から次はぜひ自分!
みたいに期待され始めちゃったのよね。
なんか妙なネーミングまで……
「でも連戦連勝、記録更新中ってすごくないですか!? もはや飛鳥さん、魔法使いっていうより神ですっ! マジ、尊敬します!」
「ラムちゃん頼むから拝まないで。仏壇じゃないから」
「……真杉って、そんな仲人ばあさんみたいなことやってたのか」
「ばっ……!?」
むぅっと眉間にしわが寄る。
「私がばーさんなら、同期の坂田は……っ」
「はいはい、じーさんでいいよ」
……う。
そんなにサラッと流されると、なんかムカつく。