カボチャの馬車は、途中下車不可!?
——だからその、ほら……27だと思ってたでしょ? 私のこと。
決まり悪さに耐えながら言う。
——そりゃ、プロフィールにそう書いてあったからね。
信じちゃったよ、ってあっけらかんと笑われてしまう。
これじゃなんだか、私の方がおかしいみたいじゃない。
——だから……5歳もサバ読んでたのよ? 怒らないの?
——日本語って面白いよね。なんでサバなんだろう? イワシじゃなくて。
ガクッと、コントみたいに肩が落ちた。
——ライアン!! あのね、私は真剣にっ!
声を荒げた私へ。
一瞬、責めるような光をふくんだ視線が突き刺さって、出かかった言葉を飲み込んだ。
——怒った方がいいの? よくもだましてくれたなって?
——だって……年下の方が……好き、じゃないの? 男の人って。
ハッと小さく、彼の喉から嗤い声が漏れた。
——もしかして彼氏、若い女の子と浮気したことあるわけ?
それはまぁ、そんなことも……。
言葉を濁す私に、ライアンは肩をすくめた。
——決めつけないでほしいな。人それぞれ好みなんて違うだろう? 若い方がいい、なんてステレオタイプな思い込みだよ。少なくとも、僕が興味あるのは飛鳥自身で、年齢じゃないから。年上だろうが年下だろうが、どっちでも構わないよ。