カボチャの馬車は、途中下車不可!?

年齢は関係なくて。
興味あるのは、私自身……。

そう言われて、うれしくなかったと言えば……嘘になる。

遊び相手としてでも。
彼が私を気に入ってくれてるのは、本当なのかもしれないって思う。

私は、まだスマホに集中しているその横顔を盗み見た。


最初は、リアルな王子様みたいな美貌に驚くばかりだった。

でももう、わかり始めてる。

彼の明るさや、細やかな気遣い。
幅広い知識に裏打ちされた、ウィットに富んだ会話。

彼が、一緒に過ごして、十分楽しめる相手だってこと。


将来なんか関係ない、今だけって割り切ってしまえば。
もしかして、素敵な時間が過ごせるのかもしれない。

ううん。
きっと、すごく——

「っ……!」


バカバカ!
なにを考えてるの、私っ!

膨らんでいく妄想を打ち消したくて、ゴンゴンっとガラスに頭をぶつけてしまった。
< 129 / 554 >

この作品をシェア

pagetop