カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「っ……た」
紅くついたアトを、彼の指が満足げになぞる。
そしてその宝石のような瞳を伏せると、私のシャツの袖をまくって腕の内側、やわらかな肌へ、何度も何度も。
音を立てて、口づけを繰り返していく。
「やっ……も、やめっ……」
息が、上がる。
乱れていく。
首をふるふる振りながら、正常な呼吸を取り戻そうと足掻く間にも。
身体は理性を裏切って、甘美な刺激を受け入れていく——
「僕を、利用すればいい」
「り……利用?」
「僕は、二股とか気にしないから。彼氏には黙っておけばいいんだよ。お互い、楽しもう?」
え。
二股も、気にしない?
楽しむ……お互いに?
蕩けかけていた頭に、いくつかのワードが警告灯みたいに瞬いた。