カボチャの馬車は、途中下車不可!?
ウィン……小さな電子音とともに、窓が開いた。
「飛鳥? どうしたの?」
きょとんと、翡翠色の目が丸く開いてる。
どうして私が怒ってるのか、まるきりわかってないって感じ。
やっぱり無理だ。
彼と私じゃ、見ているものも、求めていることも、違いすぎる。
「ブランド物買い与えとけば、女は言いなりになるとでも思ってるわけ? あいにくですけど、私はちゃんと働いてて、欲しいもの買うだけのお金は持ってるし、不満はないの。セックスの相手なら、他をあたって!」
溜まった不満をぶちまけるように、叫んだ。
可愛くない女だと思われようが、幻滅されようが、どうでもいい。
もう二度と、こんな男に振り回されてたまるかっ!
「はぁ、はぁ……」
荒い息を整えながら。
はたと、気が付くと——
ライアンは、ハンドルに突っ伏すようにして。
……ひくひくって笑いをかみ殺していた。
え、何? 何なの?
なんで?
「っふ……くくく……あはははっ」
ついに、吹き出した。