カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「は? え、ちょ……なんで、笑う、の?」
私、怒ってるんだけど……
すっかり毒気を抜かれて、あっけにとられる私へ。
「ほんとに不思議な人だなぁ、君は」
穏やかな調子で言う。
なんだか、ものすごく楽しそうだ。
「は? え……?」
「それとも、これも作戦ってことかな?」
「え、だから、なんのこと……?」
「誤解のないように言っておくけど、僕は別に、飛鳥のカラダをお金で買おうとか思ってるわけじゃないからね? 本気で恋愛したいと思ってるよ」
「でもっ……でも今、人のこと物欲の塊みたいにっ——」
トントン……
たしなめるように、長い指がハンドルを叩いた。
「だからそれはさ、飛鳥がずっと望んだことだろう?」
「私、が……?」
「そう。メールのやりとりで、ずっと。好きなブランドと欲しいアイテム、ずらっとリストにして送ってきたじゃないか。いや……飛鳥じゃないか。マユミが、っていうべきかな」
「マ、ユミ……」
ひゅって、喉の奥で悲鳴が漏れた。