カボチャの馬車は、途中下車不可!?
8. 2ndピリオド

次の日から、始まった——王子様の猛攻が。
彼の言葉を借りるなら、セカンドピリオド開始ってとこだろうか。

ラインだったり、電話だったり。
一日に何度も連絡がきて、デートに誘われるの。
キスしたいとか愛してるとか。
赤面しちゃうくらい、思いっきりストレートな口説き文句つきで。

まぁそれだけのことなら。
日本人とはちょっと感覚が違うんだろうって、まだスルーできたんだけど……なんと。
会社に毎日、花が届くようになったのよね。
高価そうな種類ばかりを使った、ド派手なアレンジメント。

これには本気で参っちゃって、電話で抗議した。

——お願いだからもう送らないで! 同僚に冷やかされまくって大変なんだから! 置き場所にだって困るし……

——デートしてくれるなら、止めてもいいよ。

——だからっ仕事が忙しいって言ってるでしょ? 

——でも、彼とは会うんだろう?

——……それ、は……

——花を見るたび僕を思い出して。彼なんか入るスペースないくらいに、僕のことで君の頭がいっぱいになればいい。

——……なな何よそれ。そんな、まるで嫉妬……みたいなっ…

——嫉妬だよ? 当たり前だろ。二股を気にしないとは言ったけどね、だからといって、ジェラシー感じてないわけじゃないから。いつまでも2番目でいたくないしね。予告しただろ、「攻めるよ」って。

——……っ……
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