カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「部長……嫁に来て下さい」
しみじみと言う坂田に、
「同感」
私もこくこく、激しく頷いて同意した。

「あははっ……話したことあるだろ。うちは父子家庭で、ガキの頃から作らざるを得ない環境だったって」

「真杉、部長を見習え。女子たるもの、こうでなくちゃな」

「部長は女子じゃないから!」

「部長、真杉ね、一度も弁当なんて作ってきたことないんですよ? 女子力低すぎじゃないっすか」

「あのね坂田、お弁当作るイコール女子力高いって、思いっきり偏見だからね!?」
一応、私だって自炊はしてるし!
い、一応……暇な時に、だけど。

でも確かに……
料理上手の方が男ウケはいいって、古今東西の常識かも。

例えばあの王子様だって……
こういうお弁当、さくっと作れちゃう女子の方が可愛いって思うかな——


って……ストップストップ!
あいつの好みなんて、どうでもいいから!
だ、大体、あのグルメ王子を満足させるレベルって、どんだけ——

いやいや、レベル云々でもなくて! そもそも私には関係ないことでっ……
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