カボチャの馬車は、途中下車不可!?

こっそり自分にガンガン突っ込んでる私の頭を、大きな手がポンと叩いた。

「別にいいだろ、作ってこなくても。料理なんて、好きな奴がやればいいんだし。真杉には真杉のいいところがあるんだから」

「部長……っ」

「例えば……『飛鳥マジック』、とか?」
いきなり、いたずらっぽく片頬をあげて言われて、どっと赤面してしまった。

「ぶっ部長もご存知だったんですかそれっ!」

は、恥ずかしいっ……

自分の相手も見つけられないのに、人の世話焼く、とか。
余計なことしてる暇あったら婚活しろ、とかなんとか、言われるんだろうか。
それとも、もっとまじめに仕事しろ、とか?

身体を縮めるようにうつむいた私へ、
「それってさ」
部長が静かに続けた。

「一人一人の性格をちゃんと把握して、最高の相性を見抜いてる、ってことだろう? つまり、人を見る目があるってことだ。誰にでもできることじゃない。実際、真杉がスタッフィングで外したこと、今まで一度もないしな」

「あぁ、それはオレも思ったことありますね。つか、言われたことあるな、朝比奈に」

え……朝比奈って。
「ウェブデザイナーの、朝比奈漣(あさひなれん)?」

「そ。『チーム真杉』の仕事はオレとのよりテンションあがるって。ちょっとムカついたけど」

「どういうこと?」
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