カボチャの馬車は、途中下車不可!?

唐突に耳に飛び込んできた言葉に、ビクリと身体が反応した。


「そうかなぁ。でもY大卒のキャリア公務員で、顔も身長もそこそこ……なかなかないよ? イマドキ」
「そんなのどこまでホントかわかんないじゃん。所詮出会い系でしょ。みんな簡単に嘘ついちゃうらしいよ」
「えぇっ……そうかなぁ。ちゃんとしたとこで選べば大丈夫だと思うけど……」

こっそり目線を動かして確認すると、声の主は、反対側のドア際に立つOLっぽい2人連れだった。

「第一さ、相手のプロフィールまだ削除されてないんでしょ? つまり、相手募集中ってことじゃん」
「うん……そうなんだよねえ」
「もう決まりだってば。絶対ほかの女子にも声かけまくってるって。メイは都合よくキープされてるだけ!」

ドキンドキン……


耳をふさぎたい衝動と戦いながら、躍起になって広告の文字を目で追った。


そういえば私……

まだ一度も例のアプリ、確認してない。
アプリの名前すら、青山さんから聞いてない。

ライアンのプロフィールは……まだ掲載されてるんだろうか?
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