カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「そ、そうっ! なのにまさか、会うことになるなんて……どうやって断っていいかわからなくて、困っちゃって。それで……」
「つまり飛鳥は、今フリーで恋人がほしいと思っているにも関わらず、僕に興味はないってこと?」
「そ、そうよ。そういうこと」
興味はない、全然。この先もずっと。
自分に言い聞かせるように私が強く頷くと、「へぇ」って、翡翠色の瞳がくるんと大きく開いた。
本気で驚いてるみたい。
そっか。断られるなんて、きっと初めてなのね。
このルックスじゃ無理もないか。
「ライアンだって言ってたでしょ、好みは人それぞれ違うって」
これで終わりにしよう、って決意をこめて、その言葉を告げた。
「あなたとつきあうつもりはありません。他の人を探して」
「……僕のことなんて全然意識しないんだ、男として?」
切なげに翳ったように見える表情から目をはがして、「しません」ときっぱり言い、唇を引き結ぶ。
「こうやって僕が触れても、何も感じないってこと?」
さらりと——
絡めた指はそのままに、空いてる方の手で頬を撫でられて。
ゾクゾクっと走った衝動を、懸命にやり過ごした。
「ももっもちろんっ」