カボチャの馬車は、途中下車不可!?
すると、整った顔がゆっくり近づき……熱い吐息が耳朶にかかった。
「この距離も、平気なんだね?」
ほとんど音にならないかすれ声は、ベッドの上を想像させ、恐ろしいほどセクシーで……
「もももちろんっ」
身体が、媚薬でも注がれたようにジワリと痺れていく——
「じゃあ、食事するくらい、どうってことないよね?」
「もちろん!」
ぎゅうっと目を閉じ、無我夢中で叫んでしまってから。
ん? あれ?
今、私……何て言った?
ん?
……食事?
パッと目を開けたけど——もう遅かった。
ライアンはあっさり私を解放すると、鼻歌交じりに下りのボタンをタッチする。
「さて、今夜は何を食べに行こうか?」
一部の隙もない美貌の下、高らかに笑う悪魔が見えた……。