カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「愛してるよ」
「ぶほッ……!」
口の中のウーロン茶を盛大に噴き出して、私はわたわた、テーブルやら服をおしぼりで拭いた。
「ちょっ……な、なに……突然っ」
「突然でもないだろ。電話では伝えたし。でも……そういえば、まだちゃんと直接言ってなかったなって思ってさ」
動じるでもなく、淡々と拭くのを手伝ってくれる彼に、うれしいとか何とか感想を抱く前に、こっちはもうパニックだ。
だって店内には、他にも常連客らしい数組がいる。
そりゃ、みんな自分たちの話に熱中してるから、私たちの話なんて聞いちゃいないだろうけど。
でも席の間隔も狭いし、お互いに話は筒抜けだ。
こんなところで告白とか、何考えてるのよ……
ドギマギしながら、「やめてよ」って小声で抗議した。
「そそそういうのは、時と場所を考えてっ……」
「どうして? 好きだから好きって言う。普通だろ」