カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「……え?」

「飛鳥は悪くない。腹を立ててるのはね、自分に対してだから」

「自分、に?」

「ほんの少し揶揄うだけのつもりで……なのに、……」
ライアンは困惑したように目をそらし、口ごもった。

「キスしたら、いきなりコントロールできなくなって……ほんとに、ごめん」

「え……っと……あの」
返事に困ってしまった私へ、眉間の皺を解いた彼がようやく視線を戻してくれた。

「大丈夫。ちゃんとイイコにするよ。飛鳥がその気になってくれるまで」

冗談めかした眼差しは、優しくて。
でもどこか苦しそうで——胸がきゅんと音を立てる。


それはつまり……大事にしてくれるってこと?
なんて、うぬぼれてもいいんだろうか?



本心なんて、わからない。
すぐに気持ちが離れていくかもしれない。

まだ数回しか会ってない。

なのに。
どうしよう……


私は彼に、惹かれている。
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