カボチャの馬車は、途中下車不可!?

あの事故から、もうすぐ1週間。

ケガもたいしたことないし大丈夫って散々断ったにも関わらず、ライアンは朝晩、車で送り迎えしてくれている。
曰く、「電車通勤なんて、危なくてさせられない」のだそうで……。

毎日こうやって会社のど真ん前まで送ってくれるものだから、目立つことこの上ない。

花束攻撃を止めてもらったこともあって、私たちがもう同棲してて婚約間近、とカン違いしてる同僚もいるらしい。

「ね、ライアン、その、自分の仕事は? 毎日私に付き合ってたらほら、いろいろ……」

「言っただろ、プライベートを削らなきゃいけないような、ずさんな時間管理はしてないって。それにうちはフレックスタイムだから、勤務時間って割とゆるいんだよね」

「で、でもほら、友達と飲みに行ったりとか、ジムでトレーニングとかっ、ね? 私のことなんて気にしなくていいんだから」

なんとか興味をそらせられないだろうかと提案してみても、彼はますます嬉しそうに笑みを深くするばかり。

「ほんと、かわいいなぁもうっ……」

「は?」

か、かわいい?

「僕のこと、試してるんだろ?」

「……へ?」

「心配しなくても、浮気なんかしないのに」

「べ別に私は、し、し、心配なんかっ……」

「飛鳥だけだよ?」
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