カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「本当につきあってるんじゃないの?」
「はぁ、まだ……ですね」
「でも好きなんでしょ?」
「う……好き、でしょうか」
「はっきりしないわねぇ。真杉さんらしくないじゃない」
「わからなくて。彼が、どこまで本気なのか」
「え?」
「実は……マッチングアプリで知り合った人なんです」
「へぇ、最近よく聞くわね、それ」
「すごく素敵な人なんですけど、二股も平気、って公言しちゃうくらい女好きっていうか……女ったらしというか……」
話し出すと、もう止まらなくて。
自分の中にため込んでいた思いを、吐き出していた。
「好きだって、私だけだって言われて、うれしい気持ちはあるんですけど、信じていいのかなって。遊ばれてるだけなんじゃないかなとか、もっと真面目にお付き合いできる人の方がいいんじゃないかとか、いろいろ考えちゃって」
とつとつと話すと、柴田さんが「なるほどねぇ」って深く頷いた。
「確かに、年齢重ねていくと、新しい恋愛を始めることに臆病になっちゃうっていうのは、わかるわね。もう失敗したくない。次は結婚相手かも、って考えちゃうと、なかなか一歩が踏み出せなかったりね」