カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「飛鳥さん? 大丈夫ですか……?」

ラムちゃん、そしてその向こうに同僚たちの心配そうな顔がチラチラと見え。
私は反射的に「うん、平気」って唇を持ち上げた。

「ちょっと聞こえちゃったんですけど。日程変更とか……」

「平気平気! ちょっとトラブっちゃったけど、なんとかする」

なんとかできるアテなんてないくせに。
「ラムちゃんもう上がりでしょ。お疲れ様」って、無理やり会話を打ち切った。

申し訳ないけど、今はこれ以上、笑って話せる余裕はない。


どうしてこんなことに……

どうしよう……
どうすればいい?


ホワイトボードを確認すると——こんな時に限って、新条部長も日下課長も出張中。坂田も、今日は外回りで直帰か……


私一人で、なんとかしなくちゃ。

なんとかって。
でもどうすればいいの?


変更を聞いていなかった、って言い訳は……通らないだろうな。
どうせ本宮さんは認めやしないだろうし。言った言わないの水掛け論になるだけ。
大河原さんがどちらを信じるかは、明らかだし。
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