カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「ラムに前、聞いたけどさ。飛鳥って、魔法使いなんだって? 飛鳥マジックっていうんだろ?」

は? 飛鳥、マジック……?
なんでイキナリ、それ?

「ま、魔法、っていうか……別にそれはっ……」

「たまにはさ、自分が魔法にかかってみる、っていうのはどう?」

「……え?」

「かけてあげるよ、とっておきの魔法。どんなプレゼンも絶対うまくいくってやつ」

「何よそれ……」
吹き出しそうになったけれど、ライアンの指が私の顎をくいっとすくい……ピクリと身体が反応してしまった。

「ほら、目、閉じてごらん?」

誘うようなハスキーボイス——私の瞼は催眠術をかけられたみたいに、素直に降りてしまう。


ちゅっ……


唇が、触れた。

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