カボチャの馬車は、途中下車不可!?
優しく上唇を啄まれて。
そして、下唇。
触れるだけのキス——そして。
するりと舌が忍び込む。
「待っ……」
反射的に離れようとした私の後頭部を、ぐっと大きな手が支えて。
ライアンが私へ、覆いかぶさるように、口づけを深くする。
「……っ……、……んっ!」
舌へ、歯列へ、口蓋へ。
彼の舌がゆったりと触れ、なぞっていく。
それは——不思議なキスだった。
奪いつくすような激しさはなくて。
どこまでも優しく温かく、満ち足りていて……
「ふ、ぁ……っ」
カリカリ、すがりつくように彼のシャツをひっかいていた私の手からは、いつのまにか震えが消えていた。