カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「これで魔法は完璧。行っておいで」
楽しそうな声に、くたりと力が抜けた状態のまま目を上げた。
う。
濡れた唇を親指でぬぐう仕草が……色っぽ過ぎ。
発火しそうな体を無理やりシートから引きはがして、車から飛び降りた。
は、早く顔、元に戻さなくちゃ。
こんな真っ赤な顔でプレゼンなんて……
「Good Luck!」
……不思議だ。
追いかけてきた声が、足取りを軽く、強くする。
胸が、弾む。
ああもうっ……
私は相当、彼にハマってしまったらしい。