カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「へぇ、さっぱりしておいしい! こんなソース初めてだ」
「そ、そう? よかった」


さっき拒んじゃったこと、どうやら気にしてないみたい。

南蛮漬けも煮びたしもきんぴらも。
気持ちいいくらいもりもりと食べ進んでくれるライアンに、ホッと息を吐いた。
例のレシピ本に感謝だ。

和食好きみたいだし、他の料理も作ってあげたいな。
ごく自然にそう考えて——ギクリとした。


これから……?


私たちに、これからってあるのかな。

友達以上、恋人未満。
こんな状態のまま、彼はいつまで待ってくれるだろう?


私の気持ちはもう決まってる。
あとは伝えればいいだけ。
それは、わかっているけれど——


唇からまた、吐息がこぼれた。

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