カボチャの馬車は、途中下車不可!?
今回の仕事は、もうカレントウェブにお願いするってことで決まってるけど、今後のことを考えると、コネクション広げておくに越したことないもの。
「うちと仕事がしたいってこと?」
「そうっ」
「社長に……紹介しろって?」
社長?
「そういえば友達を手伝ってるって言ってたけど……社長が?」
「まあね」
「じゃ、一度名刺交換したいな」
気軽な調子で言ったんだけど、ライアンは「うーん……」って歯切れ悪く唸り、目をそらしてしまった。
「スケジュール聞いてみるけど……でもうち、かなり忙しいから、新規は断ることが多いんだ。あまり期待しないで」
どことなく緊張させた顔を伏せ、食事を再開する。
なんだろう、煮え切らないこの生返事。
なんだか……彼らしくないような。
一緒に仕事できたらいいなって、思っただけなのに……
さっきまでの朗らかさを消し、黙々と食べ進める彼の姿に——私は首をひねった。