カボチャの馬車は、途中下車不可!?
マッチングアプリ?
えーっと、それってつまり、あれよね。出会い系、みたいな?
私は正直に首を振った。
あんまりそういうの、信用できないタチだから。
古臭いって言われるかもしれないけど。
「そうですよね……」
彼女はまた、うつむいてしまう。
「わたし……彼氏がいて」
「うん……?」
結婚するんでしょ? なんだか話が見えないな。
出会い系なんて必要ないんじゃないの?
「でも、少し前、ちょっとしたことで喧嘩しちゃって。もうダメかもしれないって思って……それで、その……つい勢いで」
言葉を切る。
勢いで? ってもしかして……
「アプリを使った……?」
代わりに言うと、小さな頷きが返ってくる。
「エリート会社員と知り合えるっていうところがあって」
「……はあ」
「すぐにいろんな人から連絡もらったんですけど、ものすごく素敵な人が一人いて。こんなハイスペックな人と知り合えるんだって舞い上がっちゃって」