カボチャの馬車は、途中下車不可!?
食後、一緒に後片付けを済ませてから、リビングへライアンを追いやって。
私は一人、キッチンで紅茶の用意を始めた。
一続きになった限られた空間。
さっきから、背中に絡みつくような視線を感じるのは……たぶん、気のせいじゃない。
このまま彼の元へ行けば、おそらくそういう——甘い雰囲気になってしまう気がする。
さっきはなんとか誤魔化したけど……
そんな展開をどこかで期待してる自分もいるから、始末が悪い。
いっそ今夜、告白しちゃおうか、とも思う。
でも……どうしよう……
ほんとに、言っちゃっていいのかな。
もう少し関係を育ててからの方が——……
ぐずぐずとカップを温めたりなんかしながら、堂々巡りを繰り返す。
何か、他の話題はないかな。
妖しいムードにならないような……何か。
何か話さなきゃいけないことが、あったような気もするんだけど……
なんだったっけ?
と、そこまで考えて。
ハッと、思い出した。
そうだ。
そうよ、車!
黒のワンボックスカー!