カボチャの馬車は、途中下車不可!?


拘束を解かれても、もう抵抗する気なんか起きなかった。


「かわいいよ、飛鳥」

ちゅっ……ちゅっ……

こめかみに、まぶたに、鼻に、頬に。
唇を避けて、子どもの悪戯のように軽く、落とされていく口づけ。

「全部、全部かわいい……飛鳥……」


こんなんじゃ、足りない。
私の中で爛れた欲望が膨れ上がっていく。

我慢できなくなって、迎えるように喘ぐように。
私は薄く、唇を開いていた。


もっと。もっと……

ねえ、もっと……




RRRRR……



どこかで、着信音。
……私の、じゃない。

じゃあ……

とろんと蕩けていた思考が、カタリと動く。
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