カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「あぁああっもうっ!!」

ゴンッ! って自販機に頭をぶつけた。
「ったぁ……」

痛い。本気で。
おでこも。心も。

もう……嫌だ。
視界を、涙の膜が覆っていく。

嫉妬と焦りと自己嫌悪と。
頭の中はもうぐちゃぐちゃだ。

こんなこと、今までなかった。

仕事とか友達とか趣味とか……
私の人生には、楽しいことや大事なことがたくさんあって。
恋愛は、その中の一つにすぎなかった。

なのに今回は違う。

何をしていても、彼のことが中心で。
他のことなんか、考える余裕なくなってる。

こんなの、私じゃない。
こんなの、絶対私らしくない。
なんでこんなに苦しまなくちゃいけないの?

「っ……ぅ……」
涙が、ポタポタって床を濡らした。

ダメだ。なんだかすごく、情緒不安定。
私、こんなにメンタル弱かったっけ……


「真杉?」
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