カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「真杉……」


「ライア……彼が好き、で……のに……っく……」

「うん?」


「わからな、くて……っく……ひっく……言いたいの、に……言えなく、て……好きって、好きなのに……怖くて……」



一体、何を言ってるんだろう?

とてつもなく意味不明なことを言ってるはずなのに。
部長は私の頭に手を乗せたまま、静かに耳を傾けてくれる。


「もう、や……なんです……疲れちゃ、て……っく、ぇ……ぅ……」


あんなヤツ、好きにならなければよかった。


相手が部長だったら。


そう。きっとこんな苦しい思いはしなかった。
部長が恋人なら、きっといつも楽しくて。不安になることもなくて。


部長だったら……


「っく……つき、あい、っく、……ませんか?」


「え?」




「私たち、付き合い、ませっ……んか?」



「…………」

< 317 / 554 >

この作品をシェア

pagetop