カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「気にするなって。悪ノリしたのは俺の方なんだから。それに、彼女じゃないし」
「ででですがっ……」
「ほんとに大丈夫だから。で、構わない? 一緒でも」
「はい、もちろんです。ぜひご一緒させてくださいっ」
「ん。じゃあちょっと電話してみる」
「私、タクシー捕まえておきましょうか」
「あぁ、頼む」
電話をかけ始めた部長から離れて、空車を探すために車道へ寄った。
……それにしても。
さっきの部長の口ぶり。
なんとなく、だけど……あの部長が、振り回されてるっぽくなかった?
一体どんな人なんだろう?
ふふ。後で坂田に自慢してやらなくちゃ。
何しろ部長の彼女と初対面、だもんね。
……あれ?
そういえば部長さっき、彼女じゃないって言ってなかった?
でも、恋人なのよね?
ん? 彼女じゃなくて……恋人でって……どういうこと??
「あぶないっっっ!!!」
叫び声が、空気を切り裂いた。