カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「明日やればいい……明日伝えればいい……でもその『明日』が来なかったら? もちろん、お前とは限らないよな。相手に『明日』がこない可能性だってある」
部長が何を言いたいのか、わかった気がした。
「真杉、お前にはないか? 明日が来なかったら、後悔すること。やり残してること……伝えてないこと」
——わからな、くて……っく……ひっく……言いたいの、に……言えなく、て……好きって、好きなのに……怖くて……
温かな眼差しが、私に告げてる。
あるだろう。伝えなきゃいけないことが、
今、言わなければいけないことが、と——
私は……
私はまだ、伝えてない。
大切なことを。
ガバッて、私は立ち上がった。
「……部長、すみません。私っ……行かないと……!」
胸がいっぱいで、それ以上は言葉にならなかった。
ただ、精一杯の思いを込めて見つめると。
ふわりと、どこまでも優しい笑みが返ってきた。
「あぁ。行ってこい」
「はいっ!!」
全速力で、駆けだした。