カボチャの馬車は、途中下車不可!?
カチッ
ボーンボーンボーン……
大時計が0時を指して、重厚な鐘の音を打ち鳴らす。
さすがに、これ以上は……無理か。
ため息をついて、肩を落とした。
認めなきゃ。
今夜、彼はここに帰ってこない。
もしかしたら本当に、このホテル以外に、彼の家があるのかもしれない。
私には内緒の。
あるいは、別のホテルで女性と会ってるとか——
小さく頭を振ってから、はりついてしまった重たいお尻を、ソファから引きはがした。
そして、おとぎの国のような華々しい光に背を向けた。
◇◇◇◇
告白しようって決めた途端のこの展開って、なんなんだろう。
まるで、神様に嫌われてるみたい……お祓いでもしてもらおうかな。
自嘲気味な嗤いを浮かべた顔が、窓ガラスに映った。