カボチャの馬車は、途中下車不可!?

「え?」

「何か用事があったんだろ? 僕に。だからホテルまで来てくれたんじゃないの?」


……そうだった。
そうでした。

自分のミッションを思い出した私は、急に彼を意識してそわそわしてしまう。

「ん、飛鳥? どうかした?」

黙り込んだ私を不審に思ってか、彼が少し体を離した。

う。
そんな間近で、見つめないでほしい——

心臓はバクバクして。手に汗なんかかいちゃって。
女子高生か! って情けないくらい緊張してる。


でも、言わなきゃ。
伝えなきゃ。
明日じゃ遅い。今、伝えたいこと——

「あの、ね……」

「うん?」

自分を叱咤しつつ、言葉を探す。


「わ、わた……し——」

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