カボチャの馬車は、途中下車不可!?

それは、絡んだ指の温度を意識しながら、言葉少なに歩いていた時だった。


「ねえねえパパっあれ、なんて魚っ!? 食べれるっ!?」


トトトッと軽い足音がいくつか乱れながら響き。
ちびっ子集団が、私たちを追い越した。

巨大な水槽の前、背伸びしながら夢中になって覗き込む子どもたち。

魚を指す、小さな指。
丸く開く、小さな目。

どの子も元気いっぱい、好奇心いっぱい。
ふふっ、かわいい。


子ども……かぁ。



ライアンみたいなルックスの人が父親だったら、子どもはきっとめちゃくちゃ美形になりそう。

女の子だったら天使みたいな美少女で、
男の子なら、王子系のイケメンで……

うん、絶対可愛いだろうな。


ライアンがいて……子どもがいて……
みんなでワイワイ、食卓を囲んで、他愛もないことで笑って。


唐突に浮かんだ未来予想図は、けれど思いのほかリアルで。
止める間もなく、勝手に脳内へ羽を広げていく。
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