カボチャの馬車は、途中下車不可!?
休みの日にはお弁当持って、ドライブに行って……
たとえば、あんな風に?
目の前の家族に、自分とライアンを当てはめていることに気づいて——
ススストップ、ストップ!!
どこまでも突っ走ってしまいそうな自分にギョッとして、大慌てで待ったをかけた。
何考えてるのよっ。
早い、早すぎでしょ、さすがにっ!
深呼吸しながら、自分勝手な妄想にこっそり冷や汗をぬぐう。
今までこんなこと、考えたことなかったのに。
どうしちゃったのよ、私。
自分に突っ込みながら、彼に悟られてやしないかとびくついた視線を隣へ向け……——びっくりした。
翡翠色の瞳が、それはそれは優しく、弧を描いていたから。
気になって視線を追うと、その先には……パパに抱っこされてるまだ小さな女の子。
魚が怖いのか、腕も足も、ギュって全力でパパにしがみついてる。
もしかして……
「ライアンって、子ども、好きなの?」
我知らず期待をこめた声で聞いてしまった私に、「え?」って彼が首を傾げた。
「えぇっと、……あの子、ずっと見てたから、その……」
「あぁ、た……友達に娘がいてさ、ちょうどあの子くらいなんだ」
そして、思い出し笑いに肩を揺らした。
「すっかりパパって顔で、もう見てられないくらいデレデレで。それまでは、特に子どもに興味なんてなさそうだったのに。自分の子って、やっぱり特別なのかなって思うよ」