カボチャの馬車は、途中下車不可!?
目を輝かせて振り向くライアンに、私はあいまいに頷き返した。
その場所のことは、そのう……知ってた。
割と有名な観光スポットだし。
でも、彼が「永遠」なんて約束してくれるなんて思えなくて、言い出せなかったのだ。
「さっそく行ってみます」
パーフェクトな王子スマイルでおばちゃんを真っ赤にさせた後、ライアンは私の手を引いて、歩き出した。
「ちょ、まさか……い、行くの?」
「当たり前だろ。そんなおもしろそうな場所、行かない理由がないよね」
「お、おもしろいって……だって、その……」
どういうつもりなんだろう。
どんな場所かは、一応理解してるわよね?
言い伝えとか迷信とか、信じてないのかな。
宗教が違うから大丈夫、とか?
話題作り、くらいな軽い気持ちなんだろうか。
ねえ——何を考えてるの?
私は戸惑いながら、ただ彼の背中を見つめるしかなかった。