カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「何かを取るんじゃなくて、置く目的で入ったのかも」
「何かを……置く?」
首を傾げる私に、彼は言いにくそうに口を開いた。
「つまり……盗聴器とか、盗撮器の類、ってこと」
「なっ……」
ゾッとして、お茶がこぼれるのも構わず、彼にしがみついた。
まさか……あの部屋に?
「ストーカーされるような、心当たりはある?」
「ストーカー? そんなもの……」
あるわけないじゃない、って笑い飛ばそうとして。
ふと笑みが消える。
そういえば。
おかしくなかった? 最近。
変なことが続いていたんじゃなかった?
くらりと、眩暈がした。
全部、偶然だと思ってた。
気のせいだと。でも……
小さな疑惑の芽は瞬く間に心の中に根を張り、黒々と葉を広げ始める。
まさか。
まさか……