カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「まだ何もわからないし、決めつけちゃうのは早いよ」
「う、うん……」
「でも、確かに偶然にしては重なりすぎてると思う。とにかく、警察は当てにできないから、部屋の方は、専門の業者を僕が手配するよ。きちんと調べないと、気持ち悪いだろう?」
「うん……ありがとう、助かる」
「ねえ飛鳥、全部はっきりするまで、ここで僕と暮らさない?」
「え?」
ここ? って……シェルリーズホテルに、ってこと?
突然の申し出に面食らいながらも、「それは……」と首を振った。
だって……さすがにそこまで甘えちゃうのはちょっと、どうなのかな。
ここって最高級クラスだし。ビジネスホテルに泊まるのとは訳が違う。
「盗撮されてるかもしれない部屋に、君を帰せるわけないだろう?」
「帰らないわよ。友達に泊めてもらうとか、何か方法はあると思うから」
すぐには思いつかないけど、きっとどこか……短期間なら、ウィークリーマンションでもいいし。
私の言葉に、目の前の美貌が憂いを含んで翳った。
「君が自立した女性だっていうことは、ちゃんとわかってるよ。でもそれとこれとは別だろう? こういう時は、もっと頼ってほしいな」
伸ばされた温かな手が頬を滑る。
「僕は、君の恋人なんだから」
トクン……っ……