カボチャの馬車は、途中下車不可!?
「……は?」
私の、パソコン?
「君のパソコン周りが、重点的にいじられていた形跡があるそうだ。これについて、何か申し開きはあるかい?」
「も、申し開きって……そんなこと言われても。なんのことだか、さっぱり……っ」
「では、質問を変えよう。ここ数か月の間で、部外者に仕事内容を漏らしたことは?」
「そんなことあるわけ——」
私の言葉は、ぷつりと途切れた。
とくん、と確かに心臓が音を立てた。
あの時。オオタフーズの……
私はライアンに、料理コンテストの話をした。
で、でも。彼はシェフを紹介してくれただけだし。
何も後ろ暗いことなんてない。だから、大丈夫なはず。
自分を励ましながら、乾いた唇を舌で湿らせた。
「あるプレゼンの直前に、トラブルがありまして。急遽スタッフィングをやり直さなければならなくなり、友人に知り合いを紹介してもらいました。その時に、彼に企画について少し……」
「話したのかっ?」
3人が、ガタッと体を起こした。
「でででもっ! クライアント名も訴求商品名もしゃべってませんし、問題はないと思います」
何かができるとは思えない。
そう考える間にも、ソファの2人は落ち着かない視線を交し合い。
ひやりと冷たい汗が滑り落ちていく。