カボチャの馬車は、途中下車不可!?
言葉を続けたのは、最初の人だった。
「そのトラブルの際、君はその『友人』とやらを、社内に入れているね。警備室に確認が取れているから、隠しても無駄だが……。彼が帰ったのは、翌朝だそうだね。一晩中、一体何をしてたのかな?」
な……なんなの、この言い方。
まるでこっちが悪いって決めつけてるみたいな……
「私は、プレゼン用の資料を作っていました。彼は、自分の仕事をしながら、時々、パソコン操作のアドバイスをくれて——」
「アドバイス、ねぇ……つまりずっと、社内に彼もいたわけだ」
「でも、企画の内容については話してませんし、企画書も見せてません。彼は社内のパソコンには触れていませんし……。第一、それはハッカー騒ぎが起こった後のことです。関係ないと思います」
「関係ないという、その根拠は?」
「それは……わかりませんけど。ででもっ、彼は信用できる人ですし、そんな犯罪と関わりとか……」
コツコツ——
それまで黙り込んでいた窓際の一人が窓ガラスをこぶしで軽く叩き、言葉を遮った。
冷えきった目が、私を射る。
「どの程度、信頼できるのかな。その『彼』は」